【12月6日 AFP】国連(UN)の国際労働機関(ILO)は5日、世界の労働者の5人に1人に相当する22.8%が、職場で何らかの暴力とハラスメントを受けた経験があるとの調査結果を公表した。こうした調査は今回が初めて。

 調査は昨年、世界121か国7万4364人を対象に実施された。

 この結果、職場で身体的、精神的、性的な暴力・ハラスメントのいずれかを受けたことがあると答えた人は全体の22.8%に上った。このうち、複数の種類の暴力・ハラスメントを受けたと答えた人は30%近く、すべてを経験したことがある人は6.3%だった。

 過去5年以内に職場で何らかのハラスメントを経験した人で、他人に打ち明けた人の割合は55%未満にとどまった。なぜ話さなかったのかという理由については、「時間の無駄だと思った」「自分の評判を懸念した」が最も多かった。

 職場での精神的な暴力・ハラスメントが最も横行しており、そのような経験がある人は 17.9%だった。身体的な暴力・ハラスメントを受けた人は8.5%に上った。

 女性は精神的な暴力を、男性は身体的な暴力を受けやすい傾向にあることも明らかになった。

 性的な暴力・ハラスメントを受けたことがあると答えた人の割合は6.3%で、女性が「特に被害に遭いやすい」という。

 職場での暴力・ハラスメントは繰り返されることも分かった。職場で何らかの暴力・ハラスメントの経験があると答えた人のうち、60%以上が何度も被害に遭ったとしている。

 ILOは、ロイドレジスター財団(Lloyd’s Register Foundation)と米世論調査企業ギャラップ(Gallup)と共同で調査を行った。(c)AFP/Christophe VOGT