【12月6日 AFP】コンゴ民主共和国(旧ザイール)のジュリアン・パルク(Julien Paluku)産業相は5日、同国東部の村で先週、反政府武装勢力が民間人を襲撃し、約300人が殺害されたと発表した。

 政府軍との戦闘を続けている反政府武装勢力「M23(3月23日運動)」は先週、北キブ(North Kivu)州キシシェ(Kishishe)村を襲撃。政府軍は当初、民間人50人が殺害されたとしていたが、政府はその後、犠牲者は100人以上と発表していた。

 パルク氏と政府報道官はこの日の記者会見で、最新情報に基づき、死者数は約300人に上ると述べた。

 これに対し、M23は事実無根だと反論。死亡したのは、11月29日に同村で起きた戦闘中に「流れ弾」に当たった民間人8人だとしている。

 主にコンゴのツチ人で構成されるM23は、2012年に北キブ州の州都ゴマ(Goma)を一時支配下に置くまでに勢力を拡大したが、その後撃退され、活動は沈静化していた。しかし、M23戦闘員の政府軍への受け入れをうたった2009年の合意を政府が順守していないなどとして、昨年11月に活動を再開。今年10月になって再び攻勢に出ていた。

 コンゴ政府は、隣国ルワンダがM23を支援していると非難。ルワンダはこれを否定する一方で、コンゴはルワンダのフツ人反政府武装組織「ルワンダ解放民主軍(FDLR)」と結託していると主張している。

 両国は先月23日にアンゴラで行われた協議で、コンゴ政府軍とM23の停戦合意を締結。停戦は同月25日に発効し、27日にはM23が占拠地域から撤収することになっていたが、実現に至らなかった。(c)AFP