【12月5日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の長年の盟友アレクセイ・クドリン(Alexei Kudrin)元財務相が5日、民間IT大手ヤンデックス(Yandex)の上級顧問に就任することが明らかになった。同社は近年、ロシア大統領府の影響下に置かれていた。

 かつて有望視されていたヤンデックスは、ウクライナ侵攻開始を受け社員が国外に逃亡したり、創業者が西側諸国の制裁対象になったりと、不安定な状況にあった。 

 クドリン氏は先に、「人々に多大な影響を与える」民間事業に集中するために会計検査院長官の職を退くと発表したばかりだった。

 西側の制裁を受け、ヤンデックスは国内・国際向けに事業分割を進めている。アナリストは、これにより政府の支配がより強固になるとみている。

 ロシア大統領府は民間企業が独自に発展する余地を許さない傾向があり、今回の動きもこの流れを受けている。

 監視団体などは、ロシア国内の主要メディアはすべて国営か体制寄りで、言論の自由の最後のとりでと考えられていたインターネットでも自由が制限されつつあると警鐘を鳴らしている。(c)AFP