【12月10日 AFP】サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)では、スタジアム周辺での酒類の販売が禁止されている。その善しあしについて、現地を訪れているファンの声を聞いた。

 イスラム教国のカタールでは公共の場での飲酒が禁止されており、今大会もスタジアム周辺でのアルコール販売は開幕2日前に禁止が決まった。販売されているのは、公式のファンゾーンや外国人観光客が集まるホテルが中心だ。

 ガーナ代表のサポーター、アセンソ・アタ・ピーターさん(40)はアルコール類の入手が限られていることで、むしろW杯の雰囲気は良いと話す。「しらふなこともあって、サポーターのマナーがとてもいいです」「これを続ければ、どの大会も毎回成功するでしょう」

 大方の予想を覆して決勝トーナメントに進んだオーストラリア代表を見るためにカタールに残ったマイクさん(36)とルークさん(39)は、水や清涼飲料水を手に韓国対ポルトガル戦を見ていた。

「(アルコールがないと)つらいですね。雰囲気が盛り上がらないっていうか…完全に違いますね」とルークさん。

「お祭り騒ぎというより、家族レジャーのような雰囲気」だとマイクさんが付け加えた。

 同じ試合を観戦したソウル出身のカン・ヨンギさん(45)は、自国の試合でも今は酒類は持ち込めないので特に問題ないと語った。「アルコールがあった方がテンションは上がりそうですが、まあ、あまり変わりませんね(中略)もちろん家族連れには良いことだと思います」

 AFPが取材したサポーターの大半は、もともと飲酒しないか、自国のサッカー観戦で飲酒が禁止されているため、カタールW杯でも違いはないと答えた。特に南米や北アフリカ諸国の試合は、アルコールなしでも変わらず熱狂的な雰囲気に包まれている。

 アマンダと名乗るレバノン出身の女性は「クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)を見るためだけに来たので、(アルコールが飲めないのは)どうでもいいです」と語った。