【12月6日 CNS】中国浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)の西渓(Xixi)湿地で11月19日、「2022杭州西渓干塘節」が開幕した。「干塘節」は、漁民が豊作を祝う祭りで、水が抜かれて泥沼のような状態になった養魚池に魚を放し、捕まえるといった風習がある。

 会場では、観光客が23キロの「西渓魚王(西渓の一番大きい魚)」を捕ったほか、「鴻運錦鯉(幸運のニシキゴイ)」5匹もほかの観光客に捕まえられた。

 西渓湿地は、かつて「杭州城の活魚庫」と呼ばれ、古くから養魚池が点在していた。現在、西渓湿地には1066の養魚池があり、毎年冬は、泥沼のような状態になった養魚池で魚を捕るのに絶好のシーズンとなる。

 同日、魚捕りに来た人たちは、武芸十八般など西渓の伝統的な民俗芸能を楽しんだ後、魚捕りを始めた。そこでは、魚やエビが跳びはね、非常ににぎやかなひと時となった。

 間もなく、会場では「速いな、魚王を捕まえた!」という声が響き渡った。

「西渓魚王」を捕らえた王(Wang)さんは、上がるやいなや囲まれ、「持ち上げて見せて」と皆に言われ、魚王を抱いてぐるりと回って周りの人たちに見せた。捕らえた魚を見せながら、「わあ、ずいぶん重い。小さな子供と同じぐらい重い」と語った。

 王さんは、干塘節の魚捕り体験活動に参加するのは初めてだが、参加の前に祭りの経験者の友人に魚捕りのコツを教えてもらい、十分な準備をしてからやってきたという。「魚王を見つけると、すぐに網を魚の頭上にかぶせた。まず魚の動きを止めてから、友人がやってきて一緒に捕ってくれた」

「すぐに、魚王はいなくなった。じゃあ、違うものを捕ろう。ニシキゴイにしよう」と、同じく干塘節の魚捕り初参加の男性の方(Fang)さんは、一気に捕らえた2匹のニシキゴイを手に取りながら、「私も大漁だ! ニシキゴイを捕まえたり見たりした人たちが、来年も幸運に恵まれますように」と、うれしそうに話した。

 西渓湿地の担当者によると、養魚池の水が抜かれ、魚王とニシキゴイが放たれると、それは、ゆとりある生活と幸運に恵まれることを意味するという。また、魚王を捕らえた人には、シェラトングランド杭州湿地公園リゾート(Sheraton Grand Hangzhou Wetland Park Resort)の宿泊券、ニシキゴイを捕らえた人には西渓の特別文化クリエーテイブ大賞が贈られるのだと、その担当者は語った。

 今年の干塘節は来年1月15日まで開催され、「大漁の喜びを享受し、干塘節を楽しもう」をテーマにさまざまな催しが行われるそうだ。期間中、西渓湿地では、「西渓に大きな養魚池あり」という体験型商品を打ち出し、干塘節の魚捕りの楽しさを届け、数千年の農漁業の伝統の「没入型」体験を提供している。

 また、豊作の太鼓を鳴らしたり、魚の重さをはかったり、集合写真を撮ったりするなどの儀式感あふれるセッションも用意し、観光客の体験感をより豊かなものにしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News