【12月10日 People’s Daily】中国で人工知能(AI)の中核産業の規模が4000億元(約7兆6480億円)を超え、企業数は3000社を超えている。大量のデータ処理による需要や豊富な応用シーンにより、中国のAI技術はコンピュータービジョンや音声認識などの分野で世界の最前線に立っている。

 科学技術省など6部門は最近、AI技術を促進して経済の質と量を発展させる指導意見を発表した。中国のAI技術は急速に発展しており、生命科学、数学、化学、宇宙科学の研究にAIが取り入れられている。

 特に生命科学では、タンパク質構造の予測にAIが使われている。タンパク質は立体構造をしており、その1次構造は複数のアミノ酸が直列につながったものだ。細胞内のタンパク質の働きは立体構造によって決まり、多くの病気は体内の重要なタンパク質の構造異常によって引き起こされている。つまり、人体の重要なタンパク質の「3次元マップ」を描くことで、人体に作用する薬物を見つけ、効果的な新薬を開発することができる。

 科学者は従来、低温電子顕微鏡、エックス線、核磁気共鳴装置などを使用してタンパク質の3次元構造を観察してきたが、そのプロセスは難易度が高く、実験期間も長く、さらに費用がかかるが、観察できるタンパク質の立体構造の数は非常に限られている。

 これとは対照的に、アミノ酸の配列決定ははるかに簡単だ。タンパク質の1次構造から立体構造を正確に予測することは、まさにAIの得意とするところ。研究者はAIを駆使して約100万種から2億を超えるタンパク質の構造を予測しており、科学界で登録されているほぼすべてのタンパク質をカバーしている。これは構造生物学の分野に大きな影響を与え、生命科学研究のパラダイムシフトを引き起こしている。

 バイオ医薬産業でもAIは重要な原動力となっている。現在、バイオ医薬業界では10億ドル(約1343億円)の投資ごとに開発できる医薬品の種類が減少し続けている。新薬の研究開発はますます難しく、そのサイクルもますます長くなっており、それを突破するための新しい方法としてAIが期待されている。

 今年初め、四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)の国家スーパーコンピューティングセンターで行われたタンパク質予測モデルは、四川農業大学(Sichuan Agricultural University)農学部小麦研究所のチームが種子の発育を調節し、収量に影響を与えるPGS1の分子メカニズムの分析に成功するのに貢献した。高収量・高品質の小麦を栽培するための理論的基礎につながる。

 精密医療の分野においてもAIは応用段階に入っている。AI技術が人間の免疫システムを解読し、いくつかの病気の複雑な免疫法則を解読し、新たな治療薬と治療法を開発する助けとなっている。

 AI技術を幅広くより高いレベルで活用することは、中国の質の高い経済発展を加速させていく。(c)People’s Daily/AFPBB News