【12月7日 People’s Daily】中国南部の海南省(Hainan)海口市(Haikou)に、世界最大規模の単体免税店「海口国際免税城」が10月下旬にオープンした。地上4階、地下2階で総面積はサッカー場39面分に相当する28万9000平方メートル。店内をすべて歩くと4キロ以上ある。

 海口国際免税城はデザインに海や森林の要素を取り入れ、環境との共生をイメージした。高さ11メートルもの巨大なガラスのカーテンウオールは来場者の目を引きつけている。自然光を取り入れた設計、雨水のリサイクル、効率的なスマート照明、土と緑のエリアを設けて雨水が吸収されやすくした海綿城市(スポンジシティー)設計、電子決済など、一連の設計により建物全体のエネルギー消費を大幅に減らした。特に釉薬を使ったガラスの天井は自然エネルギーを有効に利用し、室内の照明電力10%以上節約している。建設段階でもエネルギーや建材の管理、公害の防止を通じてグリーンな建設を実現。運用段階でもビッグデータを駆使して低炭素な環境保全技術とデジタル化を推進し、海口国際免税城は「低炭素ショッピングモール」になっている。

 オープン初日の来場者は4万4000人に達し、海南島の免税店11店舗の総売上高は7億元(約133億円)を超え、過去最高となった。

 海南島では2011年から離島免税政策がスタートし、市民が海外旅行をしなくとも免税ショッピングを楽しめるようになった。1人当たりの購入上限額は当初の5000元(約9万5600円)から10万元(約191万2000円)に引き上げられ、商品カテゴリーも18種から45種に拡大。2021年の売上高は当初の10倍以上となり1000億元(約1兆9120億円)を超えた。多くの消費者が「海外ショッピング」から「海南ショッピング」に移行している。

 2021年、免税品の売上高は海南省の消費と観光収入の半分を占め、免税品の輸入額は海南省全体の3分の1を占めている。離島免税政策のアップグレードは海南省の質の高い経済発展を推進している。

 海南省では10月27日から12月31日まで、5300万元(約10億円)の観光クーポンを発行し、消費者の買い物やレジャー体験を呼びかけている。来年1月には新たな免税店がオープンする。現在の成長曲線が続けば、海南島は世界最大の免税市場に発展する可能性がある。(c)People’s Daily/AFPBB News