【12月5日 Xinhua News】中国ラオス鉄道の開業から1年を迎え、ラオスでは中国製造の動車組(動力分散式列車)「瀾滄号」がすでに人々の日常生活に溶け込み、多くの人にとって第一選択の移動交通手段となっている。

 ラオス情報文化観光省のデータによると、ビエンチャンからラオス北部の重要な観光都市ルアンパバーンに向かう観光客は、好んで「瀾滄号」を利用している。今年1~10月にルアンパバーンを訪れた観光客33万6千人のうち、85・3%が列車を利用した。

 ビエンチャン駅で旅客輸送業務を担当するビラサイ・サイロンジーさんは「瀾滄号」について、列車は先進的で、人々の移動を非常に便利にしたと評価。中国ラオス鉄道はラオスの人々の他地域への移動を便利にしただけでなく、周辺国からの外国人、特にタイからの観光客が列車でバンビエンまたはルアンパバーンに向かうことを可能にし、沿線地域の観光業と経済の発展を促しているとの見方を示した。

 中国ラオス鉄道のラオス区間の運営を担当するラオス中国鉄道会社(LCRC)の杜志剛(と・しごう)運営責任者は「切符はすぐに売り切れる。ラオス人やタイなど周辺国の観光客は中国ラオス鉄道の動車組を愛用している」と明らかにした。また、中国ラオス鉄道は開業から1年で、旅客列車の運行本数が累計2千本を超え、旅客輸送量が126万人に達したほか、貨物列車の運行本数も2600本を超え、輸送量が200万トンに迫っており、ほとんどが越境貨物だという。

 LCRCのデータによると、中国ラオス鉄道の貨物輸送業務はラオスやベトナムなど「一帯一路」共同建設に参加する十数カ国を対象とし、貨物の種類は当初の化学肥料や日用品など約100品目から、電子製品や太陽光発電関連製品、コールドチェーン輸送果物など1200品目以上に拡大している。

 中国ラオス鉄道の安全性や利便性、輸送能力、全天候型というメリットを実感して、ビエンチャンやルアンパバーンなどの駅の周辺に事務所を設立する企業がますます多くなり、各主要駅周辺はビジネスが発展し人の流れが絶えない場所になっている。LCRCのデータによると、中国ラオス鉄道にけん引され、ラオスでは鉄鉱石やタピオカ、ゴムなどの生産量が急増している。

 中国ラオス鉄道の開業前は、交通面のボトルネックがラオス経済の発展を阻害する一大要因だった。ラオス国民議会のソマート・フォルセナ副議長は、中国ラオス鉄道の運行開始はラオスの発展に新たなチャンスをもたらしていると指摘。各地の人々や企業はいずれも同鉄道によって利益を得ているとし、同鉄道はラオス経済が新たなステージへと進むよう後押ししているとの見解を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News