【12月11日 AFP】仏パリで今月2日、未成年だと主張する若い移民たちが市内中心部にある国務院前にテントを張り、支援の拡充と住宅施設への入居を求めるデモを行った。

 デモには6か月前からパリ南東郊イブリシュルセーヌ(Ivry-sur-Seine)の移民キャンプで暮らしている約470人の難民のうち、およそ200人が参加。移民支援団体の「ユートピア56(Utopia 56)」のほか、医療援助団体の「国境なき医師団(MSF)」や「世界の医療団(Medecins du Monde)」も立ち会った。午後2時ごろ国務院前にテントを張り始めると、すぐに警官が周囲を取り囲んだ。

 国境なき医師団のウフラジー・カロルワ氏によると、イブリシュルセーヌの移民キャンプは約470人の若者が生活しているにもかかわらず、トイレが四つ、水道の蛇口が六つ、シャワーが12か所しかない劣悪な生活環境だという。

 また、これらの若者たちは法律的に子どもでも成人でもないというグレーな状態に置かれており、支援を受けるのが困難になっているという。児童福祉の対象にしてもらえるよう、「同伴者のいない未成年者」と認定するよう少年裁判所に訴えている人も多いが、決定が出るまでには長い時間がかかる。

 立ち会った支援団体の関係者は今回のテントデモについて、若い移民たちのことを広く知ってもらうための象徴的な行動だと説明した。(c)AFP