【12月4日 AFP】英バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)は3日、ロンドン塔(Tower of London)に展示されている英王室の至宝「聖エドワード王冠(St Edward's Crown)」について、チャールズ国王(King Charles III)の戴冠式に向けて「改良」のため展示から外されたと発表した。

 王冠は純金製で、ルビー、アメシスト、サファイア、ガーネット、トパーズ、トルマリンがちりばめられている。内側は白テンの毛皮で縁取られたベルベット帽となっている。高さは30センチ以上あり、2.23キロの重さがある。

 名前の由来となったエドワード懺悔(ざんげ)王(Edward the Confessor)のオリジナルの王冠は、清教徒革命でチャールズ1世(King Charles I)が処刑された後、議会派によって溶かされた。現在の王冠は1661年、チャールズ2世(King Charles II)の戴冠式のために作られたものだ。

 ただ、この王冠は重すぎるため、戴冠式でのみ使用されてきた。最後に使用されたのは1953年の故エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の戴冠式だった。

 チャールズ国王が着用するのも戴冠の瞬間だけで、ウェストミンスター寺院(Westminster Abbey)を出る時は「大英帝国王冠(Imperial State Crown)」をかぶる。ダイヤモンド2000個で飾られたこちらの王冠は、1937年にエリザベス女王の父ジョージ6世(King George VI)の戴冠式のために作られたもので、議会開会式でも着用する。

 チャールズ国王の戴冠式は来年5月6日、ウェストミンスター寺院で執り行われる。(c)AFP