韓国文化観光研究院長のキム・セウォン院長(c)MONEYTODAY
韓国文化観光研究院長のキム・セウォン院長(c)MONEYTODAY

【12月03日 KOREA WAVE】文化や観光、コンテンツ分野を扱う唯一の政策研究機関である「韓国文化観光研究院」のキム・セウォン院長は「韓国の文化的な能力が高まった」と評価している。

「20~30年前の『コリアディスカウント』時代とは異なり、今、世界で韓国の名前を知らない人はいません。韓国を知りたくて留学や旅行に来ています。文化的波及力の効果が他の分野でも表れています。このような時こそ、K-カルチャーを充実させなければなりません」

韓流人気が、ただの現象にとどまらず、社会・経済的な成果まで導き出さなければならない。

「ブランドの土台には、文化的価値が必ず敷かれています。K-カルチャーの成功によるプレミアム効果が拡大すれば、個別の企業が作り出す韓国商品は、それ自体がブランドになり得るわけです」

「われわれにとってたいしたことではないサムギョプサルを包んで食べる文化も、ストーリーテリングを加えればどうでしょう。フランスのファインダイニング(富裕層向けの高級レストラン)のように、外国人にとって、一つの食事のエチケットになりますね。文化・伝統が染み込んでいるマッコリヘリテージを強調すれば、ボルドーワインのように韓国に行ってこそ味わえる観光コンテンツになり得ます」

韓国内外の文化・観光企業が活用できるような研究資料を量産すべきだという指摘がある。

「単純に指標だけを提示するのではなく、解釈が盛り込まれた深層レポートを作れば、韓国に関心を持つ外国人や企業に、より価値のある紹介ができると思います。サウジアラビアのムハンマド皇太子の訪韓が良い例です。やはり現在は、研究員の交流が日本と中国、ベトナムなどアジア圏にとどまっていますが、フランス、スペインなど欧州や米国とも協力関係を広げていきたいです」

一般の韓国人のための情報サービスの構築にも力を注ぐ考えだ。

「文化・観光と関連して本当に良い情報はたくさんあります。ただ、一般大衆に消費されないため、それぞれの分野に対する認識が高まるまで時間がかかります。少数の政策立案者だけでなく、国民も気軽にアクセスでき、文化・観光を身近に感じることができるような広報も考えています」

合わせて国家的課題である地域消滅危機が、研究院の革新による文化・観光データ高度化により解決できるという意見もある。

「パンソリ、味噌など各地域が持つ有・無形の文化資源がすごい。こうしたものを発展させれば、文化観光全般に相乗効果を出すことができます。そのために研究員には『書類に埋もれて現場とかけ離れるようなことはあってはならない』と強調しています。文化・観光で重要なのは『幸福』です。文化を楽しんで旅行しながら感じるときめきを、長く持続させることが文化観光コンテンツの目標です」

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News