【12月2日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は、首都北京で欧州理事会(European Council)常任議長と会談し、現在主流となっている新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の致死率が比較的低いことから、「ゼロコロナ」政策を緩和する可能性を示唆した。欧州連合(EU)関係筋が2日、明らかにした。

 匿名を条件に取材に応じた同筋によると、欧州理事会のシャルル・ミシェル(Charles Michel)常任議長(EU大統領)は習氏に対し、欧州の例に倣い、ウイルスの感染拡大を抑えるためにはロックダウンよりワクチン接種を推進するよう提言した。

 これに対し習氏は、「中国ではオミクロン株が主流になっている。以前のデルタ株は致死率が高かったが、オミクロン株は比較的低い。このため、一部の地域ですでに見られている規制緩和に向けた道が開かれる」との考えを示した。

 また、ミシェル氏が中国各地で発生した厳格なコロナ規制に対する抗議運動について尋ねると、習氏は「主に大学生や10代」が抗議していると述べ、感染症の拡大から3年が経過し「国民が不満を抱いている」との見方を示した。習氏が抗議に公に言及したのは、これが初めてとみられる。(c)AFP