【12月2日 AFP】米ラッパーのカニエ・ウェスト(Kanye West)さん(45)が1日、極右陰謀論者アレックス・ジョーンズ(Alex Jones)氏との数時間に及ぶライブ配信で、ナチス・ドイツ(Nazi)への「愛」を語ったりナチス総統アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)を賛美したりして物議を醸した。

 ウェストさんはジョーンズ氏のウェブサイト「インフォウォーズ(InfoWars)」のライブ配信に出演した。顔全体を覆うマスクをかぶって完全に顔を隠していたが、ウェストさんのインタビューと銘打たれ、司会を務めたジョーンズ氏もウェストさんと呼んでいた。ジョーンズ氏がウェストさんの携帯電話を手に取り、リアルタイムと思われる画面でウェストさんのアカウントに投稿する場面もあった。

 ウェストさんは心の病との闘いについてオープンに語っているが、不安定な行動を懸念されている。これまでにも反ユダヤ主義的な発言が原因で契約を打ち切られるなどしてきた。だが、配信では反省の色を全く見せないどころか、極右陰謀論者のジョーンズ氏さえ同意できない発言をした。

 ウェストさんは「ヒトラーにも良い点がある」「高速道路網や、俺がミュージシャンとして使っていたマイクを発明した。何か良いことをしたと大声では言えないが、そんなことはいい」「分類はどうでもいい。人間誰しも何かしらの価値がある。特にヒトラーには」「ヒトラーは好きだ」と述べた。

 ジョーンズ氏が「ナチスは凶悪で本当に悪いことをした」と口を挟んでもウェストさんは引き下がらず、「だが、良いこともした。ナチスをディスるのはやめよう。俺はナチスを愛してるんだ」と述べた。

 共和党ユダヤ連合(Republican Jewish Coalition)は即座に反発。ウェストさんとジョーンズ氏、もう一人の出演者だった白人至上主義者のニック・フエンテス(Nick Fuentes)氏を「陰謀論者、ホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)否定論者、反ユダヤ主義者の最低な3人組」と非難した。(c)AFP