「ソウル・アーバニズム」(写真=空間書家提供)(c)NEWSIS
「ソウル・アーバニズム」(写真=空間書家提供)(c)NEWSIS

【12月01日 KOREA WAVE】孤立したマンション団地、でこぼこした看板、大通り沿いに長く並んだ商店街、斜めに切られた建物の屋根線――一貫性がはっきりしない、複雑な姿を持つソウルの都市形態は、いつ、どのように作られたのだろうか。

新刊「ソウル・アーバニズム」(空間書家)はこのような質問に対する解答を提示する。

建国(コングク)大建築専門大学院のイ・サンホン教授は「都市景観の一貫性とアイデンティティを見いだせない理由は、ソウルの都市計画と規制が、形態的な一貫性を作るのに効果的でないため。都市形態を調節するためには、まず都市の構成要素と、それらが作る秩序に対する明確な理解がなければならない」と指摘した。

イ・サンホン氏は西欧中心の都市理論ではソウルを解釈できないと診断する。物理的条件や都市計画、行政的、法的規制が重なって形成されたソウルのアイデンティティを「ソウル・アーバニズム」と命名する。

ソウルの都市形態は、これまで明確な原理なしに自発的に形成されてきたというのがイ・サンホン氏の分析だ。「道・筆・ブロック、建物、領域、スーパーブロック、チョガッポ(韓服のパッチワーク)、施設の配置、街路景観、公共空間、自然」をソウルを読む9つのキーワードとして提示する。

「カラオケ、自習室 、ネットカフェ、チムジルバンのようなソウルの普遍的な部屋文化は、急激な社会変化を都市の公共空間が盛り込めない状況から出たものだ。これらは私的な空間だが、公的な集まりや行為につながる。または公的空間で私的行為がなされるところで、いわば家の中での公的行為が、家の外の部屋に押し出された私的な公共空間だ。このような点で、ソウルの部屋文化は『屈折したソウルの都市化を代弁する』より、ソウルの『特殊な都市化』を反映している」

著者は西洋と韓国の状況を比較しながら、私たちのアイデンティティ探しを試みる。都市形態の変化過程を分析し、問題点も指摘した。

イ・サンホン氏は「この半世紀の間、私たちは急速な近代化過程を経て、前だけを見て走ってきた。しかし、過ぎ去った道の跡は明確ではない。現在、ソウルの都市形態が作られた過程も明確に整理されていない」と明らかにした。

「手遅れになる前に、私たちが通ってきた道を振り返り、痕跡を探して地図を作らなければならない。100年余りにわたるソウルの近代化過程で、韓国はどのように対応してきたのか、回顧的省察が必要な理由だ」

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News