【12月1日 Xinhua News】中国江蘇省(Jiangsu)塩城市(Yancheng)建湖県(Jianhu)で発見された宋代の窖蔵(こうぞう、穴倉)でこのほど実施された発掘調査で、1・5トンの銅銭が出土した。状態は良く、刻印も多くが鮮明な状態だった。

 窖蔵は同県岡西鎮双墩(そうとん)村で見つかった。入り口は方形で、倉内は長さ1・63メートル、幅1・58メートル、深さ0・5メートル。銅銭はきれいに段積みされ、穴に縄ひもを通して一貫(銅銭千枚)ごとに束ねられていた。唐代の開元通宝も少量出土したが、宋銭(宋代の銅銭)が大半を占めた。

 塩城市博物館考古部の趙永正(Zhao Yongzheng)主任によると、出土貨幣の中で最も年代が新しいものは北宋徽宗(きそう、第8代皇帝)期の大観通宝で、この年代を基準に考えると窖蔵の年代は北宋末と推測できる。窖蔵周辺には宋代の井戸が70基あり、かつては金と戦争の最前線であったことから、小規模な兵営だった可能性があるが、詳細は今後の研究を待つ必要がある。

 発掘関係者によると、窖蔵はかつて、戦乱や天災で財産を守るために使われ、多くは磁器や貨幣、金属製道具などの貴重品が収められた。古墓や窯跡など多くの歴史遺構と同様に歴史的、文化的な意味合いが強く、重要な研究価値がある。(c)Xinhua News/AFPBB News