【11月30日 AFP】(更新、写真追加)中国の江沢民(Jiang Zemin)元国家主席が30日、死去した。新華社(Xinhua)通信が報じた。96歳。

 江氏は天安門(Tiananmen Square)事件後に国家主席に就任。1980年代の改革期から2000年代初めまで世界最大の人口を持つ中国を率い、経済大国となる基礎を築いた。

 新華社通信は「江氏が96歳で、白血病と多臓器不全で11月30日午後0時13分に亡くなったと同日発表があった」と伝えた。

 同通信によると、江氏の訃報は中国共産党、軍、国民に宛てた書簡で発表された。書簡では「大きな悲しみ」と表現されている。あらゆる治療が施されたという。

 中国は、新型コロナウイルスのロックダウン(都市封鎖)規制に反発する抗議デモが起き、1989年の天安門事件以降で最も広範な行動に発展している。

 国営中国中央テレビ(CCTV)は、「1989年の春と夏、中国が深刻な政治的混乱に陥った際、混乱に反対し、社会主義国家の権力を擁護し、人民の基本的な利益を保護するという党中央委員会(Party Central Committee)の正しい決定を江沢民同志は支持して実行した」と報じた。

 CCTVは、政府庁舎では半旗掲揚が行われると伝えた。

 江氏が鄧小平(Deng Xiaoping)氏の後継として党総書記に就任した89年当時、中国では経済近代化が始まったばかりだった。

 江氏が国家主席を退任した2003年までに、中国は世界貿易機関(WTO)に加盟するとともに、2008年の北京五輪の開催が決定。経済大国入り間近となっていた。

 アナリストによると、江氏とその「上海閥(派閥)」は退任後も、中国政治に強い影響力を持っていた。(c)AFP