【11月29日 AFP】中国・北京では28日、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)措置に反対する抗議集会が前日に続き呼び掛けられていたが、警察の巡回や悪天候によって阻まれたもようだ。

 北京では27日夜、20~30代を中心とした数百人が運河・亮馬河(Liangma River)沿いで異例のデモを実行。多くの参加者が、当局の検閲に対する抗議として白い紙を持ち、国民の移動を約3年間にわたり制限している厳格なコロナ対策への反対を訴えた。

 現地のAFP記者によると、28日夜にはこうした集会は行われなかったもようだが、多くの通行人が抗議デモへの支持を表明した。

 匿名で取材に応じた40歳の男性は、声を潜めながら「ようやくコロナ対策に反対する動きが出てきた」と語った。「若者たちは不安を抱いている。住宅価格はほぼ手が届かない水準にあり、仕事も見つかるかどうか分からない。この対策は、中国にふたをしているようなものだ。世界の笑いものになっている」

■「私は支持する」

 近くの川沿いでは同日、小規模な警官隊が両岸を約5分おきに巡回。隣接する道路にも警官が立っていた。周辺には多数の警察車両が駐車。中にはカメラを装備したものもあり、集会はほぼ不可能な状態だった。

 強風と極寒の中、川の眺めを楽しむために訪れた30歳の女性は「きのうの若者たちの行動には心を動かされた。自分たちの権利を守ろうとしている。私は支持する」と語った。

 少し離れたところでジョギングをしていた若い女性は、前日の出来事をソーシャルメディアで追っていたと言い、「良いことだ。人々が過剰な規制にうんざりしていることを示してくれた」と話した。「声は政府に届いたと思う。対策の緩和につながるのではないか」

 前述の40歳の男性は、この女性と同じ期待を抱きつつも、「指導者らは外遊でマスクをしていないのに、なぜ私たちは今もマスクをする必要があるのか。 理解できない」と憤った。(c)AFP/Ludovic EHRET