【11月29日 AFP】(更新)米ハワイ州ハワイ島にある世界最大の活火山マウナロア(Mauna Loa)が27日深夜、38年ぶりに噴火した。緊急対応当局は、近隣住民が被害を受ける恐れもあるとして警戒態勢を取っている。

 標高4168メートルのマウナロアは、ハワイ火山国立公園(Hawaii Volcanoes National Park)内に位置している。噴火は27日午後11時30分(日本時間28日午後6時30分)ごろ発生した。

 米地質調査所(USGS)は噴火から15分後の発表で、溶岩の流れは山頂のカルデラ内におおむね収まっているが、状況が変わった場合、周辺住民に被害が及ぶ可能性があると警告した。

 USGSの火山監視室は噴火から数時間後の28日早朝、「山頂からは今も溶岩が噴出しており、カルデラからあふれ出ている。今のところ、住居地域への脅威はない」とした上で、火口がカルデラ壁の外に移った場合には溶岩が山腹を急速に移動する可能性もあるとして、周辺住民に注意を喚起した。

 今後、ハワイ火山観測所(Hawaiian Volcano Observatory)が緊急事態管理当局と連携し、早急にマウナロア上空から調査を行う予定だという。

 地元当局によると避難命令は出ていないが、山頂付近への立ち入りが禁止され、周辺の道路数本が閉鎖されたほか、予防措置として避難所2か所が開放された。

 マウナロアの噴火は1984年以来。当時は22日間にわたって噴火が続き、溶岩流が人口4万4000人のヒロ(Hilo)から約7キロ離れた地点まで達した。(c)AFP