【11月29日 Xinhua News】在大阪中国総領事館と奈良国立博物館はこのほど、中日国交正常化50周年記念公演・天平楽府特別演奏会「正倉院楽器の復刻彩響」を開催した。

 多くの観客が公演後、「千年以上前の音楽を聴いているようだった」「中国情緒があふれ、まさに唐の音楽だった」など感嘆の声を上げていた。

 日本在住40年余りの中国人音楽家、劉宏軍(りゅう・こうぐん)さんは「古代の楽譜や楽器は中国文化の宝。私にはプロの音楽家としてそれらを復元し、今を生きる人たちに千年前の音楽を聴かせる責任がある」と強調した。

 劉さんは日本の一流音楽家から交響曲と民族音楽を学んだ経験を持つ。正倉院宝物の「螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)」など唐代の楽器と出会い、古楽器の復元と楽譜の解読を決意。10年以上の研さんを経て、ついに楽器復元と「敦煌琵琶譜」「五弦琵琶譜」などの解読に成功した。また日本国内で複数の演奏家を探し出し、1993年に天平楽府楽団を創立、演奏活動を行っている。

 ドキュメンタリー監督で元東京芸術大学特任教授の井上隆史氏は「天平楽府が演奏する楽器は中国唐代にルーツを持つ。奈良公演では日中両国の演奏家が文化交流と融合を体現している」と指摘した。

 中国の薛剣(せつ・けん)駐大阪総領事は「今回の公演は時空を超えたパフォーマンスであり、中日両国が共有する輝きでもある。両国交流の中でも文化交流は重要な構成要素となっている。未来に向けて文化交流に力を入れ、両国人民の心に宿る精神的価値の絆を強固にしなければならない」と述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News