【11月28日 AFP】世界保健機関(WHO)は28日、サル痘の英語名称を「mpox(エム痘)」に変更すると発表した。現名称がもたらす汚名を回避する狙いがある。

 サル痘という名称は、デンマークで研究用に飼育されていたサルから1958年にウイルスが検出されたことに由来しているが、他の動物にも感染し、特に多いのはげっ歯類とされる。

 WHOは声明で「世界の専門家と協議を重ねた結果、サル痘の同義語となるより好ましい名称として『mpox』の使用を開始する。新旧の両名称を1年間併用し、サル痘の方は徐々に使用を減らしていく」と説明した。

 サル痘の人間への感染は1970年、コンゴ民主共和国で初めて確認された。その後の感染事例はアフリカ西部・中部にほぼ限定されていたが、今年5月以降、主に男性同士で性交渉する人々の間で感染が急拡大した。WHOは今年、計110か国から症例8万1107件、死者55人の報告を受けている。(c)AFP