■2018年大会:スタジアムの「コソボ紛争」

 2018年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)、スイス対セルビア戦では、かつてセルビアの自治州だったコソボにルーツを持つアルバニア系スイス人選手2人が、ゴールパフォーマンスでセルビアの人々を激高させた。2人が示したジェスチャーは、アルバニア国旗の黒いワシを意味した。

 2008年に独立を宣言したコソボでは、アルバニア国旗の双頭のワシが独立の象徴として捉えられている。一方のセルビアはコソボの独立を認めていない。

 両親がアルバニア移民のグラニト・ジャカ(Granit Xhaka)は1点目を決めた後にこのポーズを取り、コソボ生まれのシェルダン・シャキリ(Xherdan Shaqiri)も逆転ゴールの2点目を決めた際に同じくこのポーズを取った。

 FIFAは競技規則で政治的メッセージの発信を禁止しており、2人は罰金を科されたが、出場停止処分は免れた。(c)AFP