■1986年大会:イングランドと戦ったマラドーナ

 フォークランド紛争(Falklands War)でアルゼンチンが英国に敗れた4年後の1986年W杯メキシコ大会(1986 World Cup)。準々決勝でイングランドと対決したアルゼンチンは、ディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)が2得点を挙げて勝利し「リベンジ」を遂げた。

 マラドーナの1点目は、物議を醸した「神の手ゴール」による得点。その数分後に決めた2点目は5人抜きゴールで、後に国際サッカー連盟(FIFA)の投票で「世紀のゴール」に選ばれた。

 マラドーナは「自分たちにとってはこれが決勝戦だった。大事なのは試合に勝つことではなく、イングランドを撃破することだった」という言葉を残している。

■1998年大会:敵に花を贈ったイランチーム

 1979年のイラン革命以来、対立しているイランと米国。1998年W杯フランス大会(1998 World Cup)でそれぞれの代表チームがキックオフ前に交わしたのは、戦争ではなく平和の象徴だった。

 イランチームが米国チームに贈ったのは、白いバラの花束だ。

 だが、親善ムードが漂ったのもそこまで。イランは2-1で米国を下した。