【11月28日 AFP】ミャンマーで7月に拘束され、今月解放されて帰国したジャーナリストの久保田徹(Toru Kubota)さん(26)が28日、東京都内の日本外国特派員協会(FCCJ)で記者会見し、日本政府に対し、軍政にさらなる圧力をかけ、逃れてきた人々を難民として受け入れるよう求めた。

 久保田さんは、ヤンゴンで軍政への抗議デモを撮影中に拘束された。国家安全保障を阻害する情報を広めたなどとして禁錮合わせて10年の判決を受けたが、今月18日、恩赦によって解放された。

 久保田さんは、長年ミャンマーに多大な援助と投資を行ってきた日本政府に対し、「ミャンマーで行われている人権侵害について、よりいっそう強い立場で、よりいっそう強い非難をしていくべき」だと指摘。「資金が国軍に使われていないか、それによって人々が殺されていないか、そういった資金源に使われていないかということを、常に厳しい目で見ていく必要がある」と述べた。

 2021年2月の軍事クーデター後、日本政府は新規の援助計画をすべて凍結すると発表。ただ、既存の援助計画については影響がないとし、軍政や警察の幹部にも制裁を科していない。自衛隊の訓練への国軍兵士受け入れも、9月になってようやく停止を発表した。

 久保田さんはまた、「私たちが考えなければならないのは、圧政から逃れてきた人々をどのように保護するかだ」と述べ、ミャンマー難民をもっと受け入れるよう政府に求めた。

 日本は国連(UN)の難民条約に加盟しているが、世界中の紛争地からの難民受け入れは毎年ほんの一握りにとどまっている。

 恩赦で自身を含む約6000人の囚人が解放されたことに関しては、「宣伝効果として使われたことは間違いないと思う」と話し、「いまだに1万2000人以上が不当に拘束されているという状況は変わらない」と訴えた。(c)AFP