【12月1日 People’s Daily】旅行や文化、スポーツ、健康などの産業は「幸福産業」と呼ばれている。中国国家統計局が近頃発表したところによると、過去10年で中国の幸福産業は加速度的に発展し、関連産業サービスの消費も質が上がり、拡大している。国連が発表している「人間開発指数」によれば、中国は2012年の0.699から2020年の0.761に大きく上昇した。

「デジタル+文化」の相乗的な発展が、文化的産業において新しい業態を大量に生み出した。例えば博物館に置かれるクリエーティブグッズは大人気となり、新しい消費の形をつくり出した。中国国家統計局の報告によれば、文化的産業や関連産業の付加価値は4兆4945億元(約87兆4080億円)で、GDP比4.4%を占め、2014年と比較して0.6%増となる。文化関連のサービス業はうち64.2%を占め、2014年と比べて15.6%増となった。オンラインでの展覧会や放送、ライブストリーミング、イマーシブエクスペリエンスなど、新しい業態の開拓が加速している。また、自動車旅行やキャンプ、スキー旅行、療養旅行、マリンレジャーなど、余暇の過ごし方にも新しい流れが生まれた。文化的クリエーション・無形遺産ワークショップなど、持続可能な発展を意識した旅行に見られるように、農村振興や文化・観光の融合も進んでいる。

 国民の健康状態の向上は国家的戦略でもある。球技や登山、キャンプなど、直近の大型連休には多くの人が多彩な運動を楽しんだ。2020年、中国全土でスポーツ産業の総生産は2兆7472億元(約53兆427億円)、付加価値は1兆735億元(33兆7400億円)であった。うち、スポーツ関連のサービス業は付加価値全体の68.7%を占める。2021年末には、中国全土の体育館は397万か所に達し、1人あたりの運動場面積は2.4平方メートルに達した。

 この10年、中国は教育文化・医療衛生・社会保障に力を入れてきた。教育面では義務教育・中高等教育の普及率が2012年に比べてそれぞれ3.6%・6.4%上昇し、公共図書館・博物館の数も大幅に増えた。

 健康増進も着実に進んでいる。2021年末、全国医療衛生機関は103万か所、病床数は945万床、衛生技術員は1124万人となった。2012年に比べ、それぞれ8万か所・327万床・457万人増加した。

 高齢者向けサービスシステムの構築も加速している。福建省(Fujian)では食堂の設置や公共施設のバリアフリー化が進み、高齢者の食事・外出のサポートをしている。山西省(Shanxi)では、一人暮らしの高齢者の医療・看護問題を解決するため、高齢者サービス施設の整備が進んでいる。10年来、高齢者サービスの建設には中央財政から累計300億元(約6000億円)近くが投じられた。2021年末までに、各種高齢者サービス施設の総数は34万件に達し、病床数は2012年に比べて倍増した。農村の高齢者福祉が遅れている問題も解決が進んでおり、農村部の高齢者に娯楽や飲食、持病の管理などのサービスを提供する施設は13万件以上に達した。2021年末には、全国基本高齢者福祉保険が10億人をカバーした。(c)People’s Daily/AFPBB News