■新しい価値観の創造

 パリ、ロンドン、ニューヨーク、ミラノ(Milan)で仕事をすることは、日本人デザイナーにとって今も成功の鍵と見なされていると語るのは、ブランド「アヤーム(AYÂME)」を立ち上げたデザイナーの竹島綾(Aya Takeshima)氏(35)だ。

 英ロンドン芸術大学(University of the Arts London)のファッションカレッジ、セントラル・セント・マーチンズ(Central Saint Martins)で学んだ同氏は、「正直なところ(国際的に活躍するには)日本だけでは難しいかなと思っている」と言う。

「日本だと、まず型を先にたたき込まれて、で、そこから何ができるかっていう。発想は二の次という感じがあって」と話す。「ロンドンで私が受けた教育は、まず自分が何がしたいかっていうのがあって、それを実現するにはこの方法があるよっていう。順番が違った」と説明した。

 文化服装学院でも海外経験の重要性を認識している。来年は創立100周年を記念し、留学用の奨学金を準備している。

 在校生の佐藤ナターリアさん(21)にとって、最初に衝撃を受けたデザイナーは山本耀司氏だった。「時代に対する問題提起だったり、女性の服の在り方、タブー視されてた黒を使ったコレクションだったり、ファッションに対する考え方の根本的なことに影響を受けた」と言う。

 日本の巨匠たちは「日本だけでなく、東洋の価値観を(世界に)持ち込んだ人たち」だと佐藤さんは考える。「日本は物づくりの面が大きいと思っている。とても繊細だったり、日本の国民性がとても出ている」

「彼らが亡くなったことによって、基盤になったものが崩れていくんじゃないかという心配はあるんですけど、同時に、時代の分岐点というか、新しい価値観を自分たちがどうやってつくり上げていくのかというのを考えさせられるきっかけになりました」と話した。

 映像は8、9月に撮影。(c)AFP/Natsuko FUKUE