【11月27日 AFP】北朝鮮の国営メディアは27日、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong un)朝鮮労働党総書記が娘を伴って、新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17(Hwasong 17)」の発射実験を成功させた科学者らとの記念撮影を行ったと伝えた。金総書記は「世界最強」の核戦力を目指すと述べたという。

 朝鮮中央通信(KCNA)によると、金総書記は火星17を「世界最強の戦略兵器」と称賛。北朝鮮の科学者が「弾道ミサイルへの核弾頭搭載技術の開発において素晴らしい飛躍を遂げた」と語り、開発に貢献した当局者や科学者ら100人以上を昇進させた。

 また、核戦力の構築は国家と国民の尊厳と主権を守るための「最大かつ最も重要な革命的大義であり、最終的な目標は世界で最強の戦略戦力、今世紀における前例のない絶対戦力を保有することだ」と主張。「世界最強の軍隊をつくるという目標」を世界に示したとして、軍幹部や科学者をたたえた。

 火星17の発射台車両にも「英雄称号」が贈られた。 

 26日には、発射実験成功に貢献した関係者や科学者と記念撮影し、「防衛能力の無限の強化」や「国家の核戦争抑止力を異例の速さで拡大強化していくこと」を求めた。

 朝鮮労働党の機関紙、労働新聞(Rodong Sinmun)は、金総書記が「まな娘」と写る写真十数枚を掲載した。

 専門家によると、娘の存在を北朝鮮が公式に認めたのは、18日の発射実験の際に公開した写真が初めて。娘は第2子のジュエ(Kim Ju Ae)さんとみられる。

 韓国・北韓大学院大学(University of North Korean Studies)の梁茂進(ヤン・ムジン、Yang Moo-jin)教授は、娘を同行させたことには、火星17を「未来の世代を守るもの」と位置づける狙いがあると指摘。「今後もさまざまな場面で娘を誇示し、プロパガンダの手段として利用するだろう」との見方を示した。(c)AFP