【11月24日 KOREA WAVE】

国会論議、散発的

BTS所属事務所の親会社HYBE社屋(c)news1
BTS所属事務所の親会社HYBE社屋(c)news1

韓国では、コンクール受賞者やスポーツ大会入賞者などと比較し、BTSのような大衆芸術家に特例を適用しないのは不当だという「特例論者」の主張も侮れない。だが、軍の一部では「才能だけでなく、資本力との合作ではないのか」という指摘も出ている。

「国威宣揚」と言われるアイドルの海外市場進出だが、成功を収め続けるためには、企画会社の資本・企画力が必須だと見られている。このため、アイドル個人を特例対象とするための具体的基準を作るのが難しいと言われることもある。

昨年6月に施行された兵役法改正案施行令により、文化勲・褒章受章者は、満30歳まで入隊を延期できるようになった。BTSのメンバーもこれにより、30歳まで入営延期が可能になった。ただ、メンバー最年長のJINは、今年が満30歳となる1992年生まれで、年を越せば入隊しなければならなかった。

だが、代替服務が認められる「芸術・体育要員」への編入は、不可能な状況だ。

現行法では、大統領令に挙げられている芸術・体育分野の人は、文化体育観光相の推薦を受け「芸術・体育要員」になることができる。ところが「兵役法施行令」では、大衆芸術分野は芸術・体育分野には含まれず、基本的に文化体育観光相の推薦を受けられない。

昨年来、国防省や兵務庁が原則論に固守するなかで、政界では各党議員が、元の法律である兵役法を改正する方式でBTSに特例を与える考えを明らかにしていた。芸術・体育分野に大衆文化芸術家を編入させることを骨子とする複数の法案が提出された。

だが、各種BTS特例法案は「巨大与党」だったムン・ジェイン(文在寅)前政権はもとより、「与小野大」である現在のユン・ソンニョル(尹錫悦)政権も、国会の議決を得ることができない。

通常、BTS特例法案のように主務省庁が頑強に反対する事案は、政権与党でもドライブをかけることは難しい。

緊急記者会見を開く野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表(c)news1
緊急記者会見を開く野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表(c)news1

◇尹政権だけでなく野党代表も反対

「党論」と言えるものが出たこともない。与野党の一部議員のメディア露出と法案発議が散発的に続いただけだ。

野党「共に民主党」のソル・フン(薛勲)議員は今月、「BTSが世界に及ぼした影響を考えれば、兵士として国防義務を果たすより、はるかに多く、韓国にプラス面で貢献したと考えるほかはない」と話した。

ところが、現在の党代表であるイ・ジェミョン(李在明)議員は大統領選候補だった今年1月、「国家に寄与した側面もなくはないが、このような方式で拡大すれば、限界を設けるのが難しくなる。慎重になる必要がある」と、BTS特例に反対した。

国会で開かれた非常対策委員会議で冒頭発言をする与党「国民の力」のチョン・ジンソク非常対策委員長(c)news1
国会で開かれた非常対策委員会議で冒頭発言をする与党「国民の力」のチョン・ジンソク非常対策委員長(c)news1

あわせて、与党「国民の力」のチョン・ジンソク(鄭鎮碩)非常対策委員長は最近、JINの入隊決定と関連し、フェイスブックに「単純な兵役義務の履行ではなく、韓国青年の愛国心を示した。各種の兵役特例制度は最大限、縮小していくことが正しい方向だ」と主張した。

これに対し、BTSの兵役特例適用を主張した「国民の力」のソン・イルジョン(成一鍾)政策委議長は「国会で制度的に公平性を保つ形で後押しできず、申し訳ない」と話した。

ユン大統領の場合、今年6月に出勤する際のぶら下がり会見で「法に定められた通り、あるいは国民の世論により、関連する規定を国会で改正できる」と、留保する立場を示していた。

(つづく)

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News