【11月29日 People’s Daily】2022年9月29日、中国民用航空局(CAAC)は中国商用飛機有限責任公司(COMAC)に対し、大型旅客機C919の型式証明書を発行した。C919は立案から15年、困難を乗り越えてようやく商業運航の許可を得て、中国の航空産業の飛躍を目の当たりにすることになった。

 民間旅客機は、商業運航のための耐空証明の対象だ。C919は、国際耐空性基準に基づき、中国独自の知的財産権によって開発された大型旅客機の耐空証明を通過した。これは、中国の大型旅客機事業における重要なマイルストーンを越えたことを意味する。このときより、中国は運航可能な単通路の幹線用旅客機を有することとなった。

 C919は中国が自ら研究製造を進め、独自の知的財産権をもって開発した大型ジェット民間航空機だ。C919の機体構造はCOMACが設計し、多くの国内企業が共同で製造し、完全に独立した知的財産権を有している。過去10年余りの開発において、開発チームは自己革新と開放的な協力を主張し、多くのキーとなる技術を制覇し、多くの核心となる能力を生み出し、多くの人材チームを鍛え上げ、一連の産業発展をけん引し、中国の大型旅客機の自主的な発展を支えるプラットフォームを形成してきた。

 C919は2017年5月に初飛行に成功し、過去5年間の試験飛行フェーズにおいて、動力、電気などの各システムを総合的に検証し、失速、自然着氷、高温、高地、寒冷などさまざまな極限状態における安全性、信頼性を検証する一連の試験飛行ミッションを完了させてきた。C919大型旅客機の開発を通じ、中国は初めて大型旅客機の設計、製造、試験、試験飛行、耐空証明の取得の全プロセスを終え、国際耐空性基準に沿った大型旅客機を開発する能力を持つに至った。

 C919は、先進的なシステムと素材を備えている。COMACによると、C919は独自に開発した超臨界翼型設計を採用し、抵抗を5%減らすことが可能だ。アルミ・リチウム合金や複合材料などの先進材料を使用することで構造を軽くし、航空機の安全性、経済性および環境保護の効果を大幅に向上させることができたという。

 C919は、単通路のナローボディーで、158席から192席、航続距離は4075キロから5555キロとなり、乗客に多くの座席スペースを提供する。高効率の空気ろ過システム、人間味のある照明デザイン、安全で信頼性の高い性能などを採用している。C919は、広大な中国市場を背景に、無限の可能性を秘めており、現在、28社の顧客からの受注が累計で800機以上に達している。

 C919開発の成功は、航空会社や顧客にはより多くの選択肢を、サプライヤーやパートナーにはより多くの機会を提供し、世界の民間航空機産業における健全な競争とイノベーションの活力をさらに活性化させることになるだろう。(c)People’s Daily/AFPBB News