【11月27日 AFP】実業家のイーロン・マスク(Elon Musk)氏による買収後、大勢の従業員の離職や運用ポリシーの変更など混乱が続くツイッター(Twitter)。先行きに対する不透明感が増す中、ユーザーをはじめ誰もが抱きつつある疑問がある──ツイッターのない世界とは、どのようなものだろうか?

 ツイッターの1日のアクティブユーザーは6月下旬時点で約2億3700万人で、フェイスブック(Facebook)の約20億人、ティックトック(TikTok)の10億人余り、スナップチャット(Snapchat)の3億6300万人と比べて少ない。しかし、ツイッターは誕生から15年を経て、政府や政治家、企業、ブランドや有名人、ニュースメディアにとって、主要なコミュニケーションチャンネルとなっている。

 米ニューヨークの起業家スティーブ・コーン(Steve Cohn)氏のように、ツイッターの世界は現実世界の縮図にすぎず、実際の重要性は限定的だと確信している人もいる。

 コーン氏は自身のアカウントで「ツイッターは決して『不可欠』ではない」「なくても世界はうまく回っている」と持論を展開。実際に投稿を行っている人はほとんどおらず、「ほぼ全てのツイートは、1%(のユーザー)によるものだ。大半の普通の人はツイッターにログインすらしていない」と主張した。

 一方、声なき声に光を当てるためには、ツイッターはなくてはならない存在だと指摘する意見もある。

 南カリフォルニア大学(USC)アネンバーグ・コミュニケーション・ジャーナリズム学部(Annenberg School for Communication and Journalism)のカレン・ノース(Karen North)教授は「多くの場合、無名の人の声は届かない。だが、ツイッターには発表する機会がある」と語る。

 米シンクタンク「中東研究所(Middle East Institute)」のチャールズ・リスター(Charles Lister)上級研究員も、紛争や社会運動、弾圧といった状況では「ツイッターが真実や現場の実態を発信できる中心的なプラットフォームになっている」との見解を示した。

 アリゾナ州立大学(ASU)のマーク・ハス(Mark Hass)教授は、「ツイッターがなくなれば、独裁者や、情報が広く共有されることを望まない者たちが、利益を得る可能性がある」と話した。