【11月24日 Xinhua News】中国福建省(Fujian)竜岩市(Longyan)上杭県(Shanghang)でこのほど、広い面積にわたりポジ型とネガ型がそろって保存されている恐竜の足跡化石が発見された。現地科学調査による最新の発見であり、中国科学院古脊椎動物・古人類研究所などの研究者で構成される専門家グループによると、こうした発見は世界でも比較的珍しい。

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 同県の恐竜足跡群の化石は、2020年11月に初めて発見された。国家古生物化石専門家委員会の専門家が現地調査した際、中国で発見された最も多様性に富む白亜紀後期の恐竜足跡群の一つであり、福建省で初めて発見された恐竜関連化石と認定した。

 今回の現地科学調査で発見されたポジ型とネガ型(1対のプレート)の露出した化石の中には、面積約15平方メートルの標本もあり、その表面には竜脚類や獣脚類など多くの恐竜の足跡が保存され、湖沼の堆積環境を表す左右対称の漣痕(れんこん、さざ波状の痕跡)構造も鮮明に残っていた。暫定的な統計によると、関連する化石には恐竜6種類30以上の足跡が集中しており、その数と保存状態の鮮明さは比較的珍しく、白亜紀後期の恐竜の習性や生存環境などを研究する上で重要な意義がある。

 今回の調査に参加した同研究所の汪篠林(Wang Xiaolin)研究員によると、これまで発見された恐竜の足跡化石のほとんどは、岩盤に残る恐竜が踏みつけた後のくぼみや、上を覆っていた岩盤がひっくり返って盛り上がった足跡であり、ネガ型とポジ型が同時に保存されていることはなかった。また、これまで国内外で発見された恐竜の足跡化石のほとんどはジュラ紀と白亜紀前期のものだったが、上杭県で発見された恐竜の足跡は白亜紀後期のもので、恐竜絶滅前の最終段階における活動遺跡を代表し、科学や科学普及、保護の重要な価値を持つ。

 同県の恐竜足跡群化石の科学調査では、これまでにさまざまな恐竜の足跡と少なくとも四つの層が発見されており、この地域に恐竜が長く生息していたことを証明している。(c)Xinhua News/AFPBB News