【11月26日 People’s Daily】GPSを通じて気軽に駐車スペースの空きを探すことができる。クリックひとつでフロアに入った企業の情報を見られる。地下に走るパイプや電線を把握できる……今、衛生システムからごく身近なスマホの地図アプリまで、地理情報技術は急速に発展しており、地理情報産業はすでにスマート都市・デジタル行政・衛生防疫や日常生活のスマート化などの分野と高度な融合を果たし、デジタル経済のコア産業のひとつとなっている。

 近頃、中国の地理情報分野で最高規格・最大規模・影響の最も大きいイベントである、中国地理情報産業大会2022が安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)で開催された。完全無人化を実現したドローン大手のDJIは自動化・無人化の新作業モデルを発表した。上海華測ナビは長距離レーザーレーダーの技術的ブレークスルーに力を入れ、彼らのイノベーションは高精度長距離レーザーレーダーの国産化に貢献している。

 大会で発表された最新のデータでは、2021年の中国地理情報産業は生産高が7524億元(約14兆7000億円)に達し、同期比9.2%増であった。中国の地理情報産業の総生産額は5年間の複合成長率が11.5%にのぼり、10年間の複合成長率は17.5%にのぼる。地理情報産業の規模は拡大し続けており、イノベーションは豊かな成果を産み、力強い発展が繰り広げられている。

 地理情報産業は企業数も増え続けており、多くの就業者を受け容れている。2021年末までに、地理情報産業に従事する企業・団体などの数は16万4000件を越え、同期比18.5%の伸びを見せた。同市場のプレイヤーのうち企業が94.7%を占める。2021年に新しく登録された企業・団体は3万5800件であり、同期比29%増である。2021年末までに就業した人は398万人を越え、同期比18.5%増であった。

 浙江省(Zhejiang)湖州市(Huzhou)徳清県(Deqing)では、地域内の空間をデジタル管理するプラットフォームをつくり、各プラットフォームから集めたデータを942のレイヤーにし、県内全域をカバーする3D空間をつくりあげ、地域の自然豊かな風景を精密に再現した。このプラットフォームは、耕地の保全や災害対策、自然資源や土地の利用に対するパトロール、疫病対策などをスマート化し、多くの場面で使えるという。

 安徽省合肥市では、水資源や生態系を保護するためのデジタルプラットフォーム「デジタル巣湖」がつくられた。水質汚染のルートや発生源を追跡するなど、水質・水量・藻類ブルームが一体化した即時的な観測管理と、より立体的な早期警報が実現するという。

 スマート都市・デジタルツイン・地理情報などの産業が発展することで、また新しい発展の契機がもたらされている。科学技術省の元長官で、中国科学院の徐冠華(Xu Guanhua)院士の指摘によれば、基礎的な測量・製図とリモートセンシングを備えた衛星などは、すでに大量の地理情報データを生み出し、蓄えた。いかにしてこのデータを活性化するかが、未来の発展における鍵となるという。(c)People’s Daily/AFPBB News