【11月24日 People’s Daily】近年、越境電子商取引(EC)プラットフォームで中国製品を購入する海外消費者が増えており、「注文数を予想し、商品を先行させる」という海外倉庫モデルは、国産品の「海外進出」の重要な推進力となっている。

 海外倉庫とは、海外に設置され、国内メーカーなどに、商品の倉庫保管、中継輸送、仕分け、梱包、倉庫内加工、配送などの基本サービスや、受注処理、通関処理、返品・取り換え、融資、海外流通などの付加価値サービスを提供する倉庫施設のことをいう。越境ECという新業態の発展の勢いは近年急速で、海外倉庫は、越境ECの重要な海外拠点および新たな対外貿易インフラ施設として、コスト削減と効率化、対外貿易サプライチェーンの円滑化において積極的な役割を果たしている。

 2022年9月21日、バーレーン王国在住のジャリラさんのもとに、インターネットで注文した中国製のカプセル式コーヒーメーカー「HiBREW」とミルクフォーマーが届いた。サウジアラビアの海外倉庫から出荷され、2日以内には顧客のもとに到着したのだ。2020年7月に海外倉庫の利用を開始して以来、このメーカーの商品はサウジアラビア、ドバイ、ロシア、スペイン、フランスなど12の国と地域に広がり、スピーディーな物流は海外の消費者の人気を集め、注文数は80%増となった。

 このように、物流の時間とコストを節約し、国産品の競争力を高める海外倉庫は多い。現在、越境ECプラットフォームのアリエクスプレス(AliExpress)は、物流会社の菜鳥(Cainiao)と共同で、海外11か国・地域に20以上の海外倉庫を建設し、その総面積は86万平方メートル以上に及んでいる。欧州市場で、アリエクスプレスは2日間配達を実現した。同時に、海外倉庫を活用し、15日間無条件返品・交換サービスも提供している。2022年には、アリエクスプレスはメキシコやイスラエルなど、将来性のある新興マーケットのビジネス展開を開始した。商務部のデータによると、2021年末までに中国の海外倉庫の数は2000か所を超え、その面積は1600万平方メートルを超えているという。

 今後、海外倉庫モデルは、より多くの「メード・イン・チャイナ」製品、特に中小企業の商品の海外進出を支援し、より多くの海外消費者がより便利にインターネットによって中国の商品を購入することを可能にするだろう。商務部対外貿易司の李興乾(Li Xingqian)司長は、「異なる主体が海外倉庫建設に共同参入することを奨励する。商務部は、その基準の整備を着実に推進すると同時に、海外倉庫のデジタル化を推進し、海外インテリジェント物流プラットフォームの建設を充実・向上させ、適格な金融機関によるターゲットを絞った融資や信用保険商品・サービスの発売を奨励し、海外倉庫建設に対する金融支援を強化する計画だ」と述べた。(c)People’s Daily/AFPBB News