【11月24日 AFP】サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)のグループE初戦で日本に1-2で敗れたドイツ代表のハンジ・フリック(Hansi Flick)監督は23日、試合前のキャプテンマークをめぐる抗議と、国際サッカー連盟(FIFA)に対する法的措置が、チームの敗戦に影響したとの見方を否定した。

 今大会ではドイツをはじめ欧州の7チームが、LGBTなど性的少数者を支持するため虹色のキャプテンマークの着用を予定していたが、FIFAから処分対象にするとの警告を受け、21日に計画を断念していた。

 それを受け、ドイツサッカー連盟(DFB)は日本戦の前日、虹色のキャプテンマークの禁止撤回を求め、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴。この日の日本戦で、主将のマヌエル・ノイアー(Manuel Neuer)は虹色のキャプテンマークを巻かなかったが、先発メンバー11人全員が試合前の写真撮影で口をふさぐポーズをし、DFBは「腕章の禁止は発言する権利を禁じているようなものだ」とコメントを発表した。

 まさかの黒星を喫した試合後、腕章をめぐる騒動が初戦前の話題を独占したことで選手は集中を欠いたのではないかと問われたフリック監督は、「いや、言い訳に頼るつもりはない。それは安易すぎる」と返答。試合前の抗議行動については「FIFAが圧力をかけているという、選手とわれわれからのサインだ」と、意義を強調した。

 また、「日本は素晴らしいチーム。よくまとまっていたし、技術に秀でていて戦術も良かった。彼らは試合で強みを発揮し、より効率の良いプレーをした」と日本の奮闘を称賛し、「言い訳はしない。われわれはあまり効率的でなく、最後にいくつかミスを犯した」と、チームの効率の悪さに目を向けた。

 80年ぶりの早期敗退を喫した前回ロシア大会(2018 World Cup)の亡霊にチームが取りつかれていることも否定し、「2018年との比較に興味はない。われわれは前を向かなければならない」とコメント。「チームはもっと良くできるし、そうでなければならない」と顔を上げた。

 この日の結果、ドイツが2大会連続のグループリーグ敗退を回避するには、27日のスペイン戦で最低でも勝ち点1を獲得することが必要となってくる。(c)AFP