【11月23日 AFP】ポーランド大統領府は22日、アンジェイ・ドゥダ(Andrzej Duda)大統領がフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領と思い込んでポーランドでのミサイル着弾について話し合った15日の電話会談について、ロシア人の2人組によるいたずらだったと認めた。

 2人は、有名人をだましてきた過去があり、ロシアの情報機関とつながりがあるとみられている。

 ポーランド大統領府によると、ウクライナ国境に近い東部プシェボドフ(Przewodow)でのミサイル着弾を受け、各国の指導者や政府と相次いで電話で協議する中、「マクロン大統領を名乗る人物から電話があった」としている。その上で「ドゥダ氏は電話相手の会話の進め方から詐欺の可能性があると判断し、電話を切った」と説明した。

「ボバンとレクサス(Vovan and Lexus)」として知られる「ボバン」ことウラジーミル・クズネツォフ(Vladimir Kuznetsov)さんと、「レクサス」ことアレクセイ・ストリャロフ(Alexei Stolyarov)さんは、AFPの取材に、「ソーシャルメディアで明らかにした通りだ。動画を投稿した」とドゥダ大統領をだましたと認めた。

 ドゥダ大統領は会話で「エマニュエル、信じてくれ。極めて慎重に動いている。ロシアを非難しない。ロシアとの戦争は望んでいない」と語っていた。北大西洋条約機構(NATO)加盟国の集団防衛を規定した同条約第5条の発動は検討していないとも明らかにしていた。

 ドゥダ氏は2020年にも、国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長に成り済ました2人にだまされていた。

 また、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領や英国のヘンリー王子(Prince Harry)、歌手エルトン・ジョン(Elton John)さんも2人の被害を受けている。(c)AFP