【11月24日 Xinhua News】中国国家統計局の最新データによると、国内の食糧生産は秋の収穫期も全体的に安定し、通年の収穫量が6億5千万トン以上を維持する見通しとなっている。エネルギー生産も順調で、10月における一定規模(主要業務の年間売上高2千万元、1元=約20円)以上の工業企業の原炭、原油、天然ガス、電力生産量は、前年同月比で増加を維持した。

 ▽順調な食糧生産

 国家統計局の付凌暉(ふ・りょうき)報道官は、今年の夏収穫食糧と早稲の合計収穫量が増加しており、秋の食糧生産も全体的に安定していると説明。今年は異常気象や農業資材の値上がり、国際情勢の変化などが食糧生産に課題をもたらしたが、各地方や各部門はさまざまな取り組みで順調な食糧生産の確保に努めたと述べた。

 農業農村部の15日付の統計によると、国内の秋収穫食糧作付面積の96・8%を占める12億6500万ムー(約8433万ヘクタール)で収穫が完了している。種まき作業は冬小麦が96・6%、冬アブラナが98・4%完了した。

 国の食糧安全保障や重要農産物の生産・供給の確保、農業強国の建設促進に向け、中央財政は2023年の農業関連移転支出2115億元を前倒しで通達している。

 ▽エネルギー需給は安定

 国家統計局の統計によると、今年1~10月における中国のエネルギー資源生産量は、原炭が前年同期比10%増の36億9千万トン、原油が3%増の1億7098万トン、天然ガスが6%増の1785億立方メートルだった。

 国家能源(エネルギー)局発展計画司の董万成(とう・ばんせい)副司長によると、1~9月の国内エネルギー需給は全体的に安定を維持した。

 複数の重要なエネルギープロジェクトも順調に進んでいる。西部の天然ガスを東部に運ぶ「西気東輸」プロジェクトは第4ルートが着工。完成後は第2、第3ルートと合わせて運用される。同プロジェクトの年間輸送能力は計1千億立方メートルに達する。

 石油大手の中国海洋石油集団(CNOOC)は海南省南東部海域の瓊東南盆地で中国初の深海深層大型ガス田を発見した。確認された地質学的埋蔵量は500億立方メートルを超える。

 送電大手の国家電網は9月末、四川省と重慶市を結ぶ千キロボルト超高圧交流送電線を着工した。完成後、年間350億キロワット時以上のクリーン電力を輸送できる。

 中国中東部最大の天然ガス地下貯蔵施設「文23」ガス貯蔵庫が10月末、今年のガス注入計画の実施を完了した。冬に入る前に160億立方メートル以上を注入したことで、需要ピーク時の供給確保を高める。(c)Xinhua News/AFPBB News