【11月24日 Xinhua News】中国陝西省文物保護研究院は、このほど保護修復を終えた金代の壁画墓で、保存状態の良いれんが彫刻や壁画に加え、複数の箇所から800年前の詩文が確認されたと明らかにした。唐代の詩人、白居易(Bai Juyi)の詩「天可度」の詩句も含まれていた。

 壁画墓は2010年に陝西省(Shaanxi)志丹県(Zhidan)で発見され、保護修復のため壁画全体が実験室に移設された。文化財保護職員は、壁画全体の補強、表面のほこりや汚れの除去、下地や塗装面の凹凸の修正のほか、部分的な補修も行い、壁画の本来の姿を再現した。

 同墓の墓室は保存状態がよく、壁には精美なれんが彫刻と壁画が残されていた。れんが彫刻には陝西北部特有の腰太鼓やヤンコ踊りのほか、馬や獅子、鹿、キジバト、タンチョウなどがあり、壁画にはハスの花やボタン、菊、「夫人半啓門」「門番武神」などが描かれていた。

 壁画の詩文は、「天可度」の一節「水底魚兮天上鳥、高可射兮深可釣。只有人心咫尺間、咫尺之中不可料」のほか、宋代の詩人、釈慧遠(Shi Huiyuan)の「頌古四十五首」の一節「暑往寒来春又到、夕陽西去水東流、将軍戦馬今何在、野草閑花遍地愁」などが確認された。墓室内からは「亡人秀才張倫之墓」と刻まれた石碑も見つかっており、これを基に被葬者の身元を特定できるという。(c)Xinhua News/AFPBB News