【11月24日 Xinhua News】日本の化粧品大手、資生堂はこのほど、中国上海市で創業150周年を記念した発表会を開き、中国での新たな成長戦略を明らかにした。今後も中国での投資を継続し、オープンイノベーションを推進していくという。

 同社が中国に進出したのは1980年代。魚谷雅彦社長兼最高経営責任者(CEO)は、今や中国が最大の海外市場となり、中国事業がグループの成長をけん引する重要なエンジンになっていると説明。中国市場の可能性を確信しており、中国への長期的な投資に対する自信も十分にあると話した。

 同社中国法人、資生堂(中国)投資の藤原憲太郎CEOは新たな成長戦略として、数年以内に世界で2番目の規模となる研究開発センターを中国に建設すると表明。中国消費者の肌研究を深化させ、メディカル美容や飲むコスメなどの現地開発を進め、各方面と連携したオープンイノベーションを加速させる方針を示した。

 中国で今後、詰め替え用製品の販売に力を入れるなど環境に配慮したグリーン計画も進めていく。来年には中国市場で商品150点以上の詰め替え用を販売し、グリーン消費を提唱するとしている。

 第3回中国国際輸入博覧会で初披露となった傘下のスキンケアブランド「ザ・ギンザ」はその後、北京や上海、南京、深圳、杭州など複数の都市に展開。年末には成都に進出することも決まっている。今年の第5回輸入博では同じく傘下のスキンケアブランド「イプサ」が、一人一人に合わせた肌づくりを提案する美肌プロジェクトを上海の浦東新区で立ち上げる計画を発表。中国本土で初めて紹介された9代目メタボライザー(化粧液)「ME(エムイー)」も12月の発売を控える。

 資生堂は今年、中国での取り組みを強化している。8月に資生堂中国傘下の投資ファンド「資悦ファンド」が第1号案件として、遺伝子組み換えコラーゲンの開発・生産を手掛ける中国の江蘇創健医療科技(江蘇トラウテック・メディカルテクノロジー)に約1億元(1元=約20円)を出資。9月には資生堂の研究所が主導するオープンイノベーションプログラム「fibona(フィボナ)」の中国での活動を開始した。(c)Xinhua News/AFPBB News