【11月23日 Xinhua News】中国上海市第六人民医院によると、同院整形外科の張長青教授が、大関節軟骨の欠損修復に肋軟骨を用いる治療で重要な進展を遂げた。研究成果について記した論文「大腿(だいたい)骨頭の大規模な軟骨病変に対する自家肋軟骨の移植治療」がこのほど、整形外科分野で権威のある学術誌「The Journal of Bone and Joint Surgery」に掲載された。

 若者のスポーツ障害による関節の軟骨欠損は、整形外科分野における長年の難題で、重要な科学的課題とされてきた。張氏のチームは事前の動物研究で、動物の自家肋軟骨を膝関節軟骨の欠損修復に用いると、肋軟骨内の透明軟骨細胞が関節の透明軟骨に転化することを発見した。これに基づき、2018年に人体の自家肋軟骨を股関節や膝関節、飛節の軟骨修復に用いる初の試みを行い、目覚ましい臨床効果を得た。

 この技術の臨床効果をさらに検証するため、同チームは臨床研究の設計・登録を実施。大腿骨頭の大規模な軟骨損傷に対する自家肋軟骨の移植修復に関して実施した前向き臨床試験をまとめ、JBJSに寄稿した。

 張氏は「将来的には3Dプリント技術と組み合わせることで、一人一人に合わせた損傷の再建ができる。これにより、再建した関節面が組織学、形態学、生物力学などにおいて、損傷前の軟骨に最も近い修復効果が得られる」と説明。自家肋軟骨は組織量が十分なため、複数回の軟骨再建修復手術も可能になり、若者の患者にとって極めて重要な価値があるとの見解を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News