【11月20日 AFP】トルコ空軍は19日夜、シリア北部で複数の町を空爆した。英国を拠点とするNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、一連の空爆で、米国が支援するクルド人主導の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」の構成員6人と政府軍側の6人が死亡した。

 トルコ政府は、先週イスタンブールで6人が死亡した爆発について、反政府武装組織「クルド労働者党(PKK)」の犯行だと非難している。国防省は20日早朝、ツイッター(Twitter)で空爆の瞬間を映した動画を公開し、「テロリストの根城は精密爆撃で破壊された」と発表した。

 人権監視団のラミ・アブドルラフマン(Rami Abdel Rahman)代表はAFPに、トルコ軍が北部アレッポ(Aleppo)県と北東部ハサケ(Hassakeh)県にあるSDFの拠点と、ラッカ(Raqqa)県とハサケ県のシリア政権軍の拠点をそれぞれ空爆したと述べた。

 SDFによれば、2014年にイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に占領され、翌15年にSDFが奪還・解放したトルコ国境に近い要衝アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)も空爆された。

 トルコは、SDFの主要構成部隊であるクルド人民兵組織「クルド人民防衛部隊(YPG)」をPKKの分派とみなしている。PKKとYPGはともにイスタンブールの事件への関与を否定している。(c)AFP