【11月19日 AFP】仏パリ中心部で18日、環境活動家が、屋外に展示されている米国人芸術家チャールズ・レイ(Charles Ray)氏の彫刻にオレンジ色のペンキをかける抗議活動を行った。欧州では最近、美術品を標的にして気候変動対策を訴える行為が相次いでいる。

 被害を受けたのは、仏富豪フランソワアンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)氏のコレクションの一部を所蔵する現代美術館「商品取引所(Bourse de Commerce)」前に展示されていた等身大の彫刻「馬と騎手(Horse and Rider)」。

 実行した環境団体「デルニエ・レノバシオン(Last Renewal)」のウェブサイトには、ペンキをかけられた彫刻の前でひざまずき、手をつなぐ活動家2人の写真が掲載されている。

 彫刻の騎手には「858日しか残されていない」と描かれたTシャツが着せられていた。これは、地球の存続には2025年までに炭素排出量を減少に転じさせる必要があるという研究結果に言及したものとみられる。

 現場のペンキ除去作業を視察したリマ・アブデルマラク(Rima Abdel Malak)文化相は、ツイッター(Twitter)への投稿で、環境活動家による器物損壊行為に「拍車がかかっている」と苦言を呈した。(c)AFP