■クマの「収容所」

 人口800人の町では最近、クマがごみ捨て場に頻繁に出没するようになった。ごみ袋を引き裂いてプラスチックごみを食べたり、食べ物が入っていた缶詰に鼻を突っ込んだりしていたこともある。

 こうした状況を受け、町は予防策を講じるようになった。ごみ捨て場の周辺にフェンスとカメラを設置し、見回りも行うようになった。

 また、ホッキョクグマに遭遇してもすぐに逃げ込めるよう、住民たちは車や家に施錠しなくなった。

 州自然保護官のイアン・バン・ネストさんは、クラクションを鳴らすだけで追い払えることもあるが、「ショットガンと威嚇弾で岩場まで追い立てなければならないこともある」と話した。

 時には鎮静剤を打ち、ヘリコプターでつり上げて北へ移送することや、湾内で狩りができる冬までおりに入れておくこともある。

 チャーチルには28個のおりを備えたホッキョクグマの「収容所」がある。秋には、氷が張る11月を前に町をうろつくクマで施設がいっぱいになることもある。

 映像は今年7、8月に撮影。一部は「ポーラーベア・インターナショナル」より提供。(c)AFP/Marion THIBAUT