【11月21日 People’s Daily】雲南省(Yunnan)は、中国で唯一の野生のアジアゾウの生息地だ。世界的にはゾウは減少しているにもかかわらず、中国の野生のアジアゾウの個体数は、この40年間で180頭から300頭以上に増加した。現在、監視・早期警戒ネットワークの継続的な改善、科学研究の強化、活発な救助・繁殖活動により、アジアゾウのより良い保護と効果的な救助・治療が地元で実施されている。

 2008年に設立された西双版納(シーサンパンナ、Xishuangbanna)アジアゾウ救助・繁殖センターは、アジアゾウの救護、救助、繁殖を主とする科学研究基地だ。7年前、子ゾウの「羊妞(ヤンニュ)」がショック状態で同センターに送られてきた。生まれた時、へその緒の感染により腹腔の大部分が潰瘍化し、心不全などの症状も出てしまい、群れに見捨てられてしまっていた。当時の様子は、飼育員の陳継銘(Chen Jiming)さんの記憶にも新しい。「数人の飼育員が世話をし、専門家チームが立ち会い診察のうえ、診療計画を立て、3人の哺乳係が毎日ヤギのミルクを与えてやり、ヤンニュは次第に回復していった」という。今では健康で生き生きとした姿で、インターネット上で100万人を超えるファンを持つスター象となった。

 アジアゾウ救助・繁殖センターのスタッフは、長年にわたり、野生のアジアゾウの救護・救助に20回以上携わってきた。飼育員たちは常に周辺の学校や村に出向いて科学教育を行い、ゾウについて説明することで、生態系保護への意識を高め、人間とゾウの調和を促している。

 保護活動が強化され、野生ゾウの生息域が徐々に拡大する中、生息地の保護・回復を進め、質の高いアジアゾウ国家公園をつくることが潮流になっている。自然保護区の周辺に適した森林を選び、アジアゾウの食料基地を建設することは、新たな試みとなっている。

 アジアゾウとその生息地を保護するため、「第14次五か年計画(2021〜2025年)」以来、雲南省はアジアゾウの保護に2億元近くの資金を投入してきた。2021年7月、国家林業・草原局と雲南省政府は、質の高いアジアゾウの国家公園づくりを推進することを提案した。雲南省林業・草原局が作成した業務計画によると、国家公園の主な目的は、熱帯雨林の保護、アジアゾウの個体群数とその生息地の保護の強化、人間とゾウの衝突の緩和だ。最近、同省は生物多様性保全強化の実施に関する意見を発表し、アジアゾウ国家公園の創設を着実に推進するとともに、保護地の統合と改善、法令の適時改正を加速させることを提案した。

 雲南省は、人間とゾウの生活が重なる土地や人工の集団商業林については、国家公園の一般管理区域を含め、「植林には補助金、損害には補償を」という政策を実施する予定だ。シーサンパンナ林業・草原局の刀建紅(Dao Jianhong)副局長は、この措置は地域住民の収入増とアジアゾウの保護というウィンウィンの関係を実現するのに役立つと述べた。(c)People’s Daily/AFPBB News