【11月18日 Xinhua News】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は17日午後、タイ・バンコクで日本の岸田文雄(Fumio Kishida)首相と会談した。

 習近平氏は次のように指摘した。今年、中日双方は国交正常化50周年を共に記念した。双方は50年来、四つの政治文書と一連の重要な共通認識を得て、各分野の交流・協力で多くの成果を収め、両国人民に重要な福祉をもたらし、地域の平和、発展、繁栄を促進した。中日は互いに近隣で、共にアジアと世界の重要国であり、多くの共通利益と協力の余地を持っている。中日関係の重要性は変わっておらず、今後も変わることはない。中国は日本と共に戦略的高みから両国関係の大きな方向性を捉え、新時代の要請にかなった中日関係を築きたい。

 習近平氏は次のように強調した。双方は誠意をもって接し、信頼をもって付き合い、中日間の四つの政治文書の原則を順守し、歴史の経験を総括し、くみ取り、互いの発展に客観的、理性的に向き合い、「互いに協力パートナーとなり、互いに脅威とならない」という政治的共通認識を政策の中に示さなければならない。歴史や台湾など重大な原則的問題は両国関係の政治的基礎と基本的信義に関わるものであり、信用を重んじて約束を守り、適切に処理しなければならない。中国は他国の内政に干渉せず、いかなる人がいかなる口実で中国の内政に干渉しても受け入れることはない。

 習近平氏はまた、次のように強調した。中日両国は社会制度や国情が異なっており、双方は相互に尊重し、信頼を深め、疑念を解消すべきだ。海洋と領土の紛争問題では、すでに達成した原則的共通認識を厳守し、政治的知恵と責任感をもって意見の相違を適切に管理しなければならない。双方は地理的に近く、人的・文化的に共通する独特の優位性を引き続き発揮し、政府や政党、議会、地方など各ルートを通じた往来・交流、特に将来を見据えた青少年交流を積極的に進め、相互に客観的、積極的な認識を築き、民心の通い合いを促進しなければならない。

 習近平氏は次のように指摘した。両国は経済面の相互依存度が非常に高く、デジタル経済やグリーン(環境配慮型)発展、財政・金融、医療・介護、産業チェーン・サプライチェーンの安定維持などの面で対話と協力を強化し、より高いレベルで優位性の相互補完と互恵・ウィンウィンを実現しなければならない。両国はそれぞれの長期的利益と地域の共通利益に着目し、戦略的自主性と善隣友好を堅持し、衝突と対抗に反対し、真の多国間主義を実践し、地域統合プロセスを推進し、共にアジアをしっかりと発展させ、建設し、世界的試練に対応しなければならない。

 岸田氏は次のように述べた。習主席とは昨年10月に電話会談を行い、新時代の要請にかなった日中関係を築くことで一致した。両国の交流は現在、徐々に回復しつつある。日中は近隣国として、互いに脅威にならず、平和共存する必要がある。日本の発展と繁栄は中国と切り離すことができず、逆にしても同様だ。日本は中国が自らの発展によって世界に積極的に貢献することを歓迎する。日中の協力には非常に大きな潜在力があり、両国は地域と世界の平和と繁栄に対し重要な責任を負っている。日本は中国と共に努力し、日中関係の健全で安定した発展を実現したい。台湾問題について、日本が日中共同声明で示した立場は少しも変わっていない。中国との対話と意思疎通を強化し、日中関係を正しい方向へ共に導いていきたい。

 双方はハイレベルの往来と対話・意思疎通の継続、政治面の相互信頼増進、実務協力の推進、人的・文化交流の拡大、国際・地域問題での協調・協力強化、新時代の要請にかなった安定的かつ建設的な中日関係の構築への尽力で一致した。

 会談には丁薛祥(Ding Xuexiang)、王毅(Wang Yi)、何立峰(He Lifeng)各氏が参加した。(c)Xinhua News/AFPBB News