【11月18日 AFP】2014年にウクライナ東部でマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH17便が撃墜された事件の公判で、オランダの裁判所は17日、殺人罪などに問われたロシア人2人とウクライナ人1人の計3被告に対し、検察の求刑通り終身刑を言い渡した。

 オランダの首都アムステルダムからマレーシアの首都クアラルンプールに向け飛行中だった同便は、親ロシア派武装勢力が支配するウクライナ東部の上空でミサイル攻撃を受け墜落。乗客乗員298人全員が死亡した。

 ロシア国籍のイーゴリ・ギルキン(Igor Girkin)被告(51)とセルゲイ・ドゥビンスキー(Sergei Dubinsky)被告(60)、ウクライナ国籍のレオニード・ハルチェンコ(Leonid Kharchenko)被告(50)は、殺人と故意に航空機を墜落させた罪で有罪とされた。一方、3人と共に起訴されていたロシア国籍のオレク・プラトフ(Oleg Pulatov)被告は証拠不十分で無罪となった。

 2年半に及んだ裁判は被告人不在のまま行われ、有罪となった3人が実際に刑期を務める可能性は低い。この日は、判決の言い渡しを傍聴するため、数十人の遺族が世界中から集まった。

 裁判所は、同便を撃墜したロシア製地対空ミサイル「ブク(Buk)」は親ロ派勢力が発射したものだったと結論。ギルキン、ドゥビンスキー、ハルチェンコの3被告は発射自体に関わらなかったとしても、ロシアの軍事基地から同ミサイルを輸送し発射地点に配備した責任を負うと指摘した。(c)AFP