【11月17日 AFP】イラン司法当局は16日、服装規定違反を理由に逮捕されたマフサ・アミニ(Mahsa Amini)さんの死をめぐる女性主導の抗議デモ関連で、「暴徒」3人に死刑判決を下したと発表した。全国的なデモが3か月目に突入する中、各地で衝突が相次ぎ、2日間で少なくとも7人が死亡する事態となっている。

 AFPが検証済みの拡散された動画では、首都テヘランの地下鉄駅で治安部隊が数十人の乗客に向けて発砲し、ホーム上に人が倒れ、這うようにもがく様子が確認できる。別の検証済み動画には、私服警官を含む治安要員が地下鉄の車内で、髪をスカーフで覆っていない女性たちに襲いかかる様子が映っている。

 国内では、2019年11月15日に燃料価格の引き上げをきっかけに起きたデモの鎮圧で数百人が死亡した「血の11月」を追悼するためとし、3日間の抗議行動が呼び掛けられている。

 ノルウェーを拠点とする人権団体「Hengaw」によると、クルディスタン(Kurdistan)州でデモ参加者1人が死亡したほか、西部サナンダジ(Sanandaj)にあるクルディスタン大学(Kurdistan University)に治安部隊が突入し、学生に向けて発砲した。

 7人の死者には、南西部フゼスタン(Khuzestan)州イゼ(Izeh)で16日午後に起きた武装集団によるデモ隊襲撃の犠牲者6人は含まれていない。国営イラン通信(IRNA)によれば、市中心部の市場でバイク2台に乗った「武装テロ勢力」がデモ隊と治安部隊を銃撃。6人が死亡、少なくとも10人が負傷した。

 警官を車でひき1人を殺害したり、治安要員を刃物で刺したり、道路を封鎖して「恐怖」を拡散しようとしたりしたとして、「暴徒」3人に死刑判決が下された。当局は13日と15日にも、デモに絡んだ死刑判決を出している。

 人権団体イラン・ヒューマン・ライツ(IHR)は、拷問で自白を引き出したとして判決を非難。大勢が処刑される恐れがあると警告した。

 IHRは、一連のデモ弾圧で子ども43人と女性26人を含む少なくとも342人が治安部隊によって殺害され、少なくとも1万5000人が拘束されたとしている。(c)AFP