【11月18日 AFP】太平洋に突き出すような形をした中米パナマの半島プンタチャメ(Punta Chame)。この地で産卵するヒメウミガメは、サイやセンザンコウ同様、人間の迷信という脅威にさらされている。

 ヒメウミガメの卵には催淫効果があると信じられている。密猟者は浜辺から卵を採取し、町の家々を回り1個75セント~1ドル(約105~140円)で売り歩く。

 ヒメウミガメの卵を保護しふ化させる活動をしているNGO「トルトゥグイアス(Tortuguias)」のホルヘ・パディリャ(Jorge Padilla)さんは、「特に男性が、ウミガメの卵を食べると性的快感が高まると信じている」と話す。だが、卵に催淫効果はないと指摘する。

 ヒメウミガメは国際自然保護連合(IUCN)の「レッドリスト(Red List)」で「危急種」に指定され、個体数が減り続けている。

 パディリャさんは地元のボランティアたちと共に、産み落とされたばかりの卵を回収し、保護施設の砂に埋め、ふ化させている。

 密猟者を追い払うため、昼夜問わず浜を巡回する。人間のみならず、食べ物を探して浜辺を歩き回る野良犬やタカもウミガメにとって脅威となる。

 ヒメウミガメ自体も、漁の網にかかったり、産卵場所となる浜辺が開発されてしまったりといった脅威にさらされている。食用にされたり、甲羅がくしや衣類に使われることもある。(c)AFP/Francisco JARA