【11月15日 AFP】フィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(Kamila Valieva、ロシア)が北京冬季五輪の前に禁止薬物を使用した疑いが発覚した件について、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は14日、世界反ドーピング機関(WADA)からの提訴を受理して「仲裁手続きを開始した」と発表した。

 ワリエワのドーピング問題については、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)も調査を開始しているが、「要保護者」である10代の同選手の「利益を守る」として、聴聞会の日付や処分内容については公表しない方針を示した。

 これを受けてWADAは先日、RUSADAが独自の手続きで調査を遅らせているとして、スイス・ローザンヌ(Lausanne)に拠点を置くCASに提訴し、裁定を求めていた。WADAは4年間の資格停止処分に加え、2021年12月25日以降の全成績を無効とし、その間に獲得したメダルや賞を剥奪することを求めている。

 CASは、聴聞会を経て3人の仲裁人が審議したのちに裁定を下すとし、「仲裁人の決定が最終的かつ拘束力を持つ」と説明した。具体的な日程は現時点で設定されていない。

 北京五輪に当時15歳で出場したワリエワは、圧巻のパフォーマンスでロシア五輪委員会(ROC)の団体戦金メダル獲得に貢献した後、大会前の薬物検査で失格となっていたことが分かった。国際オリンピック委員会(IOC)から個人戦の出場は認められたものの、演技後に氷上で泣き崩れた姿は大会で最大の話題となった。(c)AFP/Robin MILLARD