【11月13日 Xinhua News】東京の内山書店の店主、内山深(Shin Uchiyama)さんがこのほど、新華社の取材に応じ、「日本の人々は中国の社会や文化に興味があり、この2~3年、中国の漫画や小説を買う人が増えてきた」と語った。日本の読者が挙げる好きな漫画の中に、中国の作品が登場する頻度も増えているという。

 東京の神田神保町にある内山書店は、100年余りの歴史がある。1917年に中国の上海で創業し、内山深さんで4代目となる。内山さんによると、来店客のうち日本人が約8割、中国人が約2割を占める。

 ここ数年、内山さんに深い印象を与えた中国の作品は「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)」。2020年に日本語吹き替え版の映画「羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来」が公開され、全国で37万5千人を動員。興行収入は5億8千万円に上り、同年の日本のアニメ映画興収ランキングで9位に入った。

 内山さんによると、20代の日本人女性が「羅小黒戦記」の漫画本の注文に来たのが最初だった。店はこれを機に入荷を開始。「羅小黒」がかわいいと評判になり、今でも日本の多くの漫画ファンが買い求めにやって来る。作品の中には中国文化の要素が数多く盛り込まれている。

 内山さんは今年50歳。1998年に店の仕事を始め、24年になる。中国語の漫画本は以前から取り扱っていたが、多くは中国語に翻訳した日本の作品で、中国語の学習用に購入する人が大半だった。ところが、ここ数年は中国の漫画家によるオリジナル作品が増えているという。

 漫画が店全体の売り上げに占める割合も、16年の5・6%から21年には18・0%に拡大した。21年の販売数は16年比2・7倍となっている。

 中国の漫画は日本の若い世代、特に女性からの支持が厚い。中でも古代中国を舞台にした作品が好まれている。店内には「羅小黒戦記」のほかに「非人哉(ひとにあらざるかな)」など多くの中国漫画が並ぶ。

 内山さんは中国漫画のキャラクターの描き方を解説した「新手学古風美少女漫画技法」というタイトルの本を手にしながら「漫画が好きな人は自らも描く場合が多く、この本も売れている」と説明。「中国の漫画を読みたいから、中国語や歴史の勉強を始める人もいる」と話した。

 漫画・アニメ大国の日本でここ数年、中国発の作品が頭角を現し始めている。16年に中国漫画を原作とする中日共同制作アニメ「霊剣山 星屑たちの宴」と「一人之下 the outcast」が東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)で相次いで放送されたほか、17年9月からは「兄に付ける薬はない!」の連載が著名な漫画サイト「少年ジャンプ+」で始まった。

 漫画やアニメを見ることは多くの国の若者の共通の趣味となっており、若者たちは作品を通じて他国の文化に自然に触れている。内山さんは「中国語が分からない人も買ったりするが、そういう人が中国語の勉強を始めたり、その漫画を読みたいから中国語の勉強を始めたという人もいる。中国の昔の文化や思想を知りたいと、勉強する人も増えてきている」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News