【11月11日 AFP】新型コロナウイルスに2回以上感染した人は、1回だけの人に比べて、深刻な健康問題を抱える可能性が2~3倍になるとする研究論文が、学術誌「ネイチャー・メディシン(Nature Medicine)」に掲載された。

 新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)が長期化し、新たな変異株が次々と登場する中、複数回感染する人が急増しているが、再感染の長期的な健康への影響は分かっていなかった。

 米国の研究チームによると、再感染によって急性呼吸器症候群から後遺症までさまざまな健康問題を抱えるリスクについて調べた初めての大規模研究になる。

 研究チームは、米退役軍人省のデータベースに登録されている約580万人の匿名の診療記録を分析した。

 それによると、2020年3月1日~22年4月に44万3000人以上が少なくとも1回、新型コロナに感染。うち4万1000人近くは2回以上感染した。

 2回以上感染した人の感染回数は、2回が93%以上、3回が6%、4回が1%弱だった。

 残る約530万人は一度も感染していない。

 論文の上席著者で米セントルイス・ワシントン大学(Washington University in St Louis)の疫学者ジヤード・アルアリー(Ziyad Al-Aly)氏はAFPに対し、これらのグループの健康状態を比較した結果、「再感染した人はあらゆる健康問題を抱えるリスクが増加している」ことが分かったと述べた。

 2回以上感染した人は再感染したことがない人と比べて早世するリスクが2倍、病気で入院するリスクが3倍となることが研究で示された。疾患や肺疾患の発症率が3倍以上に増えたほか、脳や肝臓の疾患、糖尿病の発症率にも影響があったとされる。

 さらに、こうしたリスクは感染回数が増えるごとに増大することが論文で示唆されている。(c)AFP/Daniel Lawler