【11月11日 AFP】90館余りの世界の有名美術館が10日、欧州各地で相次ぐ環境活動家による名画攻撃について共同声明を出し、生じ得る被害を「著しく過小評価している」と非難した。

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 スペイン・マドリードでは、同国を代表する画家フランシスコ・デ・ゴヤ(Francisco de Goya)の名画2点の額縁に、環境活動家2人が接着剤で自らの手を貼り付けた。英ロンドンと伊ローマではビンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)の名画にスープがかけられ、ドイツではフランスの巨匠クロード・モネ(Claude Monet)の作品にマッシュポテトが投げつけられた。

 共同声明は「(名画攻撃に)関与した活動家らは、世界文化遺産の一部として保存されるべき、かけがえのない作品のもろさを著しく過小評価している」「これらの作品の管理を任せられた美術館の館長として、われわれは活動家による危険行為に深く心を痛めている」と述べている。

 声明はマドリードのプラド美術館(Prado Museum)が主導。米ニューヨークのグッゲンハイム美術館(Guggenheim Museum)や仏パリのルーブル美術館(Louvre Museum)、伊フィレンツェ(Florence)のウフィツィ美術館(Uffizi Galleries)など、世界の有名美術館90館以上の館長が署名した。(c)AFP